幕末純想恋歌

その人は、眼鏡をかけていて優しそうな微笑を浮かべていた。

「はじめまして。山南敬助といいます。よろしく。」

「菖藤葵です。こちらこそよるしくお願いします。」

「永倉君、原田君、酒もいいですが、まず夕飯を食べさせてあげなさい。君たちとは違うんですから。藤堂君、沖田君もただ見てないで。」

えっと思って見てみるといつの間にか全員食べ終わって食後の酒を楽しむばかりだ。

…速すぎる。

「気にすることはないですよ。君はゆっくり食べなさい。こんな大食らい共に合わせるのは体に良くないですよ。」

「はい。ありがとうございます。」

そう言うと山南はにこりと笑って頷いた。

「さて、私は向こうでゆっくりと食後のお茶といきますか。永倉君、原田君、藤堂君、沖田君、騒ぐのも酒も程々に。でないと、鬼が乗り込んできますよ。」

そう言って山南は立ち去った。