遠い宇宙の果てで
すると、その恐ろしい風貌をしたケルベロスか美しい白い光に包まれ、そこから美しい毛並の大きくしなやかな体をしたシロライオンが現れ、そのシロライオンは天に向かって走って行った。ウォールデンはそれを満足げに眺めていた。愛美は杖を握って待ち構えていると、魔法が解けて、気が付けばピノやウォールデン、ウェッテルと共に愛美は小屋の2階にいた。
「もう今日は十分だ、おなかが空いたろ。」
ウォールデンは愛美ににっこりとほほ笑んでそう話しかけた。
「あ、そういえば。」
愛美はウォールデンに言われておなかがすっかりぺこぺこであることに気が付いた。
「魔法は実は体力を少しばかり消耗するものなんだ。」
ピノもポケットから顔を出してワンっと吠えた。ポケットにピノを携えた愛美とウォールデンとウェッテルは一緒に食卓へと向かっていったのであった。



フィレネ王女は、ウォールデンから愛美が魔法を使えたかどうかを問い正し、使えたことを知るとすっかり舞い上がって喜び、愛美の服を魔法でピカピカの魔法使いの服に仕立ててくれた。しっかりとポケットがついていて、愛美が確認したところ、しっかりとピノもいた。肩のところに紋章の入った金色のピンの飾りが付いていた。
シャルロットたち兵士は朝練ということで、遅れて食卓にやってきた。朝食時、愛美は隣りで食事をしている銀色の鉄に武装しているコーデニウスに話しかけてみた。
「なぜあなたはご飯を食べるときにも武装をしているの?」
しかしコーデニウスは黙っていた。それを見ていたマデランは食事の後、愛美の部屋を訪れ、話を始めた。
「コーデニウスは人と口をきけないんだ。昔、戦いで生死をさまよっていたとき、ひん死だった彼の友達が命を統合する魔法で彼に自分の命を与えたんだが、彼の魂だけがその鉄
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