遠い宇宙の果てで
そして更に
「元通りにした聖霊の化身たちがまた敵に作りかえられてしまったら意味がないと思いますが。」
と述べた。すると王女は
「敵国の魔法牢獄を破壊すればひとまず平和は訪れるわ。敵陣を封じ込めなければ永遠の平和は訪れないけれど・・・。彼らの兵器は世界征服の計画を邪魔する人間たちを常に襲ってくるから、その牢獄を破壊するまで兵士や魔法使いたちを守るにはあなたの力が必要なの。」
と真剣な眼差しで答えた。

王女によると、そのウォールデンという男は魔法使いであり、凶暴化した聖霊の化身を元通りにする魔法以外のすべての魔法を自由自在にあやつる術を知っている。しかし彼はその魔法を身につける方法について魔法学の本をかき集めて徹底的に学んであるとのことであった。紺色のとんがり帽子を深々とかぶり、黒いオーバーオールを着て魔法使いらしい格好をしている。背は高いが体つきはしなやかであった。他に、兵士のシャルロット、マデラン、コーデニウス、魔法使いのルビナス、ウェッテルという人が王女のもとにいるらしかった。シャルロットは紺色の武装服を着ており、少し女のような骨格の柔らかい顔立ちをし、白い肌に赤らんだ頬、青い目をしたブロンドヘアの17歳の少年であった。コーデニウスは日々体を鍛える逞しい、銀色の防御鉄に頭まで身を包んだ騎士であった。マデランは黒づくめの格好をし、シャルロットを弟のように可愛がる親分肌で黒髪の目のするどく端正な顔つきをした青年であった。年齢は22歳。ルビナスはシャルロットの幼馴染の少女で、年齢はシャルロットと同じ17歳。茶色の髪を二つに結い、紫色の瞳をし、ウォールデンと似たような格好をした魔法使いである。白い肌に、頬や鼻のあたりにすこしばかりのそばかすを浮かべている。彼女のペットはライアという宙に浮かぶエメラルドグリーン色をした竜の子供であり、ルビナスを始め、メンバーの体力回復に一役買っている。ウェッテルは黒のとんがり帽子をかぶせたてるてる坊主に魔法使いの服を着せたような人形であり、片方の目が星、もう片方の目が丸に口が大きな歯の描かれた上弦の月であった。
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