遠い宇宙の果てで
王女によると、ウォールデンが相棒として特殊な魔法で息を吹き込んだ、ということであった。他の兵力は侵略戦争にて敵国の兵士や凶暴化した聖霊の化身に殺されてしまったか、逃亡してしまったということであった。彼らはこの城の分け与えられた部屋で王女と一緒に亡命しているとのことであった。


その日の夜、愛美の知らせを執事から聞いたシャルロットとマデランは部屋の中でチェスを楽しみながらすっかりはしゃいでいた。
「これで王国は僕たちの手に戻る！！なにせ最強の魔法が手に入ったんだ！！」
シャルロットの頬がいつになく赤らんでいる。
「久しく俺の腕がうずいてくる。明日からコーデニウスも呼んで剣術の猛特訓だ、いいな。」
マデランは笑みを浮かべながらシャルロットにそう言った。シャルロットは
「もちろんよ。」
と答えた。

愛美は王女に自分の部屋を与え、王女は客室を自分の部屋にし、魔法の練習をするようにした。愛美は翌日からウォールデンと魔法の特訓を始めることになった。

愛美はその日の晩、ピノと共に王女を含めた写真に映っていたメンバーと食事をし、自己紹介をすることになった。すべてのお城の人たちが快く愛美を迎え入れてくれた。
「さあ、みんな、星の命と平和を取り返す予兆をお祝いしましょう。」
と各々の自己紹介が終わると、王女はそう一言添え、
「カンパーイ！！」
と声高らかにワイングラスをかかげた。すると、メンバーたちは揃ってワイングラスをかかげて近くのメンバーと乾杯を交わしてワインの味をたしなんだ。愛美が一番多くの乾杯を求められ、愛美はすっかり照れてしまった。ピノはその様子を、しっぽを振って眺めていた。
< 8 / 19 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop