君の光を想う
「何?柚から身を引く訳?柚を守る為に?」
いつに無く真剣な口調で問うアイツの表情は徐々に強張っていく。
「…それで、アイツを守れるなら」
それが、アイツの為になるなら。
情けない誓いだとしても。
「それがムカつくんだっつの!!」
室内に響き渡る声は意外なモンで、いつだって勝ち誇った様に笑う奴から想像も出来なかった。
「なぁ、お前は覚えないと思うけど…俺と柚とお前、何度か遊んだ事あんだぜ。」
会っている?俺と羽井祐馬が…?
思い出そうとしても、中々浮かんでは来ない。
会っていたとしたら、柚の家だよな…でも何でだ。
コイツの顔や姿は浮かばない。