君の光を想う





「知ってるよ、昔からずっとずっといつだって…柚の為に真っ直ぐ走ってくれたのは、春君だって」






言葉の意味を理解していくと共に、強張っていた体の力が抜けていく。



何度も手の甲を撫でられる温かさと

向けられる笑みに

段々と目頭が熱くなる。





見られまいと弱くおばさんの手を離して、






「おばさん、有難う」







小さく呟くと早足で部屋を出る。







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