君の光を想う




柚の手を解放してやるとそのまま自らも部屋へ向かう。

それを追う様に柚が後ろから追って来る。







ルームキーで鍵を開け、中へ入る。

電気を付けて、風へ当たろうと窓を開けると柚が隣へ並ぶ。





「風、気持ち良いね」





ひんやりした空気が、気持ちを落ち着かせてくれる。

情けない、そんな想いが強くて。


真っ暗な空の色が憎く思えた。







「…闇、みたいだな」







低く囁いた言葉を吐いた直後、柚がこっちを向く気配がする。






< 43 / 347 >

この作品をシェア

pagetop