君の光を想う
柚の手を解放してやるとそのまま自らも部屋へ向かう。
それを追う様に柚が後ろから追って来る。
ルームキーで鍵を開け、中へ入る。
電気を付けて、風へ当たろうと窓を開けると柚が隣へ並ぶ。
「風、気持ち良いね」
ひんやりした空気が、気持ちを落ち着かせてくれる。
情けない、そんな想いが強くて。
真っ暗な空の色が憎く思えた。
「…闇、みたいだな」
低く囁いた言葉を吐いた直後、柚がこっちを向く気配がする。