妖精なアイツ【完全版】
「へえー。哲くん、来てるんや。」


のり姉は私が寝てるベッドのはじっこに座って、私の話を聞いていた。


「そう、ほんで妖精となんか険悪なムードになってるし…頭痛いわぁ…。」


そう呟くと、ハッとして、体を起こす。


「そういえば、のり姉…。染五郎さんとは…。」


「うん、仲直りしたよ!…ありがと。」


私は笑って首を振った。


「そっかー。染五郎さんは私の親戚になるのか。」


「ちょっと、気が早いよ。」


へへへ、と笑うと、また横になった。私にとって、染五郎さんは、きっと憧れ止まりだったんだろうな。


こんなにあっさりした気持ちでいられるんだろうから。


「美希はどうなの?」


「なにが?」


「光太くん。」


私は顔を赤くして、布団毛布をかぶった。
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