彼女に捧げる新世界
おしゃれをして街を歩くのはどの世界の女性も好むらしい。
手を繋いで歩いている恋人達を真似てミラの手を引くと、少し驚いたようだったがふわりと笑ってくれた。
「…………こうして歩いてると普通の人間みたいだね」
「十分に注目を集めてると思うけど」
先ほどから何かしらの視線を感じる。
珍しい事をした覚えはないが…………?
「きっとニルを見てるんだよ?
きれいな人だと思って」
これといって派手な格好のわけではないが、彼はオーラがあるとは思う。
元々必要以上に整っているからか?
考える彼女の手を緩く握り、歩調を合わせている彼は人らしくするために何度も瞬きをする。
あまり一点を見たりもせず、数秒から数分で視線を逸らした。
「普通だよ、“俺たち”にとってはね」