可愛くてごめんなさい。
ザワザワ




(ふぅ
なんとかギリギリセーフだったけど、
走ってきたから汗が…


こんなの美しくないわ!
伊織としたことが!)




息を整えて汗を拭いていたら、
チラッ

と後ろの席に座っている梨花を見てみた。





!!!!!




……爆笑してやがる……





♪キーンコーン
カーンコーン♪





「梨花ちゃん、
お昼食べにいこっ」




「ん。」




お昼ご飯、
私から梨花に声をかけた。





二人で屋上に向かってる途中、
周りに誰も居ないことを確認して……



「ちょっと!
朝私を見て爆笑してたでしょ?」





梨花は急に思い出したかのようにまた笑い始めた。

失礼なヤツだ……





「あはっ
ははは

だっていつも完璧を演じてるアンタがさ
汗ダラダラの髪ボサボサで来たから……ぷっ

あはははは
チョーおもしれー」




むうっ
「しょっ
しょうがないじゃん!
いつも通りに起きたけど、

今日からマネージャーになるから色んな事を考えてたら…

時間…気づかなかったんだよ!」





「ふぅん
それって例の黒沢先輩ってヤツの事を考えてたから
遅刻しそうになったんだ…」



梨花はニヤニヤしてて、
私をいじめるのを楽しんでいる様子…


(ムカつく)



「そりゃあ
黒沢の事を考えるよ!
なんせ今日からやっと私の復讐作戦に移れるんだから!

打倒!黒沢!」



空に向かって拳を握る私を見て梨花は何か呟いた…




「復讐…ねぇ
いつ気づくのかな……


黒沢に執着する理由」




梨花の言葉は屋上の気持ちいい風にかき消され、
私の耳には届かなかった…
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