禁断愛 母と悪魔の子
「母さんがいたからだよね」
ベッド上、いつもしてあげる話なのに、さも初めて聞いた話のように目をキラキラさせる幼子の頭を撫でる。
猫以上に柔らかい銀色の髪は父親譲りだ、目はサファイア並みに綺麗な色をしていた。
本当にこの子は何から何まで父親似だと常々、私が思うことでもある。
「そうだよ。ウィリアム――お父さんはね、私を守るために戦ってくれたの」
「いっぱい、いっぱい、敵がいたのに?」
「うん、いーっぱいいても、ウィリアムは絶対に逃げなかった。立ち向かってね、うん……だからこそ、私たちはこうして静かに暮らせるんだよ」