禁断愛 母と悪魔の子
(三)
「“俺”だよ、リディア」
その言葉に、なんと答えればいいか分からなかった。
「……、あ」
答えても言葉にはならない。
第一、体と頭がおかしかった。
クラクラでまともな思考が、できない。
単直な感想、でも高ぶる感情。
「待たせたね、リディア。さあ、おいで」
銀髪、青い瞳、優しい声、私の名を呼ぶ低音、全てを包み込むような黒い翼。
ウィリアム――
「っ、ぁ!」
感極まって彼の腕を掴んだ。
「おっと、あんまり無理しないで。体、力入らないだろう」
「ウィリ……ぁ」
「ああ。ずっと待たせてごめんね。今夜はずっと一緒にいるから」
だから、と手を握られる。
「俺を愛してくれるかい」
「っ……!」
心の中では何回も頷いたつもりでも、体が思うように動かない。