禁断愛 母と悪魔の子
* * *
「ちょっと、キスト……!」
あらがうにもあらがえなかったのは、キストの“荷物”と私は化していたから。
お姫様だっこというのをされて、少し屈辱的な気分になる。
「下ろして……!」
「ダメだよ。まずは綺麗にしなきゃ」
「綺麗にって」
確かに私は血だらけだ。シャワーを浴びたいのは山々だが、今はそんなことをする時じゃないだろう。
「あなた、人を殺して……っ」
何を考えてんのと言う前に口を塞がれた。
キストの両腕は私を抱えて塞がっている。だから必然的に私の口を閉じるのは彼の口となった。
「母さん、あとで話すよ。だから黙ってて。じゃないと――お口、縫っちゃうよ」
「……!」
ぞわぞわと悪寒が走った。
笑顔で本気を語られてしまったんだから、私は黙っているしかない。
キストが曰わくの汚い私が連れてこられたのは、浴室だった。
そこでやっと下ろされ。
「きゃ」
シャワーをいきなり浴びせられた。