禁断愛 母と悪魔の子


私のことを考えたぬるめの水。


服を着たままなのに容赦なく顔に浴びせられる。


「やめなさい……っ」


「ああ、本当にごめんね。こんなつもりはなかったんだ。人の中身を計算に入れてなかった。無我夢中で母さんに触れる奴を殺したからこんな汚れが……」


ごしごしと私の顔を袖や手で拭く人にたまらず、ビンタをした。


手を叩いただけだ。


「いったいどうしたの、キスト……!あんな……あんなことをして……」


「……、母さんを守ったんだ。それだけだよ」


「あれは守ったんじゃない、“殺しただけ”だよっ。どうして……」


どうしてと言っている内に涙してきた。


「なんで、泣くの、母さん。やめてよ。僕、母さんを泣かせないために守ったんだよ。なのに」


「っ、う……」


「ねえ、母さん。ほら、泣かないでよ。僕はそんな顔、望まない。いつもみたく笑ってよ。じゃなきゃ……何をするか分からないよ」


「っ……!」


今度は彼の顔を叩いた。


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