禁断愛 母と悪魔の子
親友の子が立派に育つのはやはり嬉しいらしい。
ハザマさんのためにもいい子に育てなきゃと思うし、今いないあの人のためにも――
「じゃあ、そろそろ」
キストがたまらずベッドから降りてるころだとキッチンを後にする。
「おやすみなさい」
ハザマさんに言うには似つかわしくない言葉だ。
悪魔たるハザマさんにとっては夜こそが“昼”なのだから。
今だって外出ついでに、この洋館に寄ったにすぎないのだろう。
またこれから出かけるのであろうが、ハザマさんはああと呟いて。
「おやすみ、リディア」
そう言ってくれた。