禁断愛 母と悪魔の子


「それは、私だってキストのために……いつまでも、死んだ人のことでうじうじしていられないと思ってね。

特にキストは“成長”が早いから」


父親の血が濃かったのか、悪魔の子たるキストの成長は驚くほど早い。


私が19の時にキストを産み、一年ほど経つ。


“あれで”生後一年だ。


立って話せて、身長体重だってまるで三歳児以上になる。


そんな成長の早いキストの前で泣き顔ばかり出しては、キストのこれからに関わるし。


「キストがね、お父さんの変わりに僕がいっぱいいっぱいお母さんを大好きになるから泣かないでって、言ってくれるから」


「そうか」


幸せそうに微笑んだのが見えたか、ハザマさんもどことなく嬉しそうだった。


< 6 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop