禁断愛 母と悪魔の子
「キストがウィリアムに似すぎている、から……?」
「……」
肯定も否定もされない。
無口なままの顔だったが――嘘をつかないハザマさんのことだ、きっとその通りなんだろう。
血にめり込まれた忠実だなんて私には分からないことだけど、キストの間違いを通してしまうほどだ。濃く深い“血色”なんだろう。
「……」
責めるのをやめ、ベッドに座った。
「外、見た……?」
「警官隊五名の死体があったな」
「キストがやったの……」
「ああ。あんなことがあった後だ。街の連中はもうここには来ないだろう」
「どうしたら、いいんだろう……」
「リディア……」
とつとつと会話しながら絶望的だと思ってしまう。
どうするべきか、決まっている罪の消化だ。
殺しをしたなら刑務所に入らせるのが普通だが、普通じゃない危険なキストを街の人に会わせるわけにはいかない。
また犠牲者が出る気がした。