禁断愛 母と悪魔の子


「ハザマさんはそれで……どうして教えてくれなかったの」


『知ったのは昨日』


その言葉がつっかかる。


「昨日、キストに会ったんじゃないの……?昼間、私はあなたを見てないから夜……」


体を抱いて掴む。


思い出したことを消そうと必死だ。


「……、すまなかった」


「っ、すまないって。それで済まないこともあるのに」


彼にくってかかった。


もしもハザマさんが『止めてくれた』なら、あんな禁忌を起こすこともなかった。


責めたんだ、責めるべき相手を間違っているのに。


「俺が全て悪い……、すまない」


「だから……っ」


手を引いた。


震えていたハザマさん。


先ほどと同じキストに謝罪した時にもこうだった。


あることを思い出す。


『ハザマは俺に忠実なんだ。俺はいいって言っているのだけど、家系からして“あそこ”は俺に逆らえない。可哀想な奴だよ』


以前、ウィリアムが言っていたことだ。


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