黄昏色に、さようなら。

苦しい――。


痛みは感じないのに、どうしようもなく、苦しい。


体が、自分のものだという気が、全然しなかった。


手も足も、指一本でさえピクリとも動かせず、瞼を上げることすらできない。


唯一機能しているのは、耳、聴覚だけだ。


ピッ、ピッ、と言うハイトーンのデジタル音が、一定間隔で鳴っているのが聞こえる。


それ以外は、全く分からない。


「う……っ……」


声を出そうと喉に力を入れてみても、くぐもったうめき声が上がるだけで、言葉にならない。


私、どうなっているの?


お父さんは?


お母さんは?


どこ。


どこいにいるの?


ジワリジワリと背筋を這い上がってくるのは、痛みではなく、絶望的なまでの恐怖。


横ざまになったトレーラー。


声にならない悲鳴。


回る世界。


そして――。


――あ、ああ!?

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