黄昏色に、さようなら。

次に、意識が浮上したのは、全身に走った激しい痛みのためだった。


「うっ……あぅっ!」


我知らず、苦痛の呻きが口をついて出る。


痛い、


なんて生易しい言葉じゃ追いつかないっ。


知らない!


こんな、全身を突き抜けるような激痛を、私は知らない!!


特に右半身、


右側頭部、右肩、右腕、右足に、まるで鋭い刃物で切り付けられているような、激しい痛みが走った。


瞼の向こうに光を感じても、開けることができない瞳から、とめどなく涙が溢れて頬を伝い落ちる。


ドクン、ドクンと、


心臓が脈打つごとに増していく激痛から逃れようと体をよじるけど、


拘束されているのかピクリとも動けず、全身を走り抜ける痛みにただ身もだえするしかできない。


「うぁっ、ううっ!」


「博士、何とかならないんですか!?」


ほとんど叫び声に近い、純ちゃんの切迫した声が響く。

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