黄昏色に、さようなら。


私が、純ちゃんを、呼んだ?


確かに、純ちゃんのことをチラッと思い出しはしたけど、


呼んだっけ、私?


それに、SOSに飛んでくるスーパーマンじゃあるまいし、呼ばれたからって助けに来られるものなの?


そもそも『呼ばれてくる』って、意味が分からない。


「おじさんとおばさん、二人の行方が分からない、ってこの場合、たぶん行方不明なのはお前の方だけど」


「は?」


行方不明が、私?


私はここにおりますが?


もしかして、私は頭を打ってどこか回線がうまく繋がっていないのかもしれない。


だって、純ちゃんの言ってることが、全然、全く理解不能だ。


酸欠の金魚宜しく、点目で口をあんぐり開けていたら、さらに理解不能な言葉が追い打ちをかけた。


「落ち着いて聞いてくれ」


「う、うん……?」


「たぶん、お前はパラレル・スリップをしたんだと思う……」


パラレル、スリップ?


何か、滑ったんだろうか?

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