黄昏色に、さようなら。
聞くのが怖い。
でも、聞かない訳にはいかない、大切なこと。
純ちゃんの手を借りて、ベッドの上に上体を起こした後、
ギュッと唇を噛みしめ、意を決して言葉を絞り出した。
「純ちゃん……」
「うん?」
逸らしたくなるのを必死にこらえて、真っ直ぐ純ちゃんの瞳を見据える。
「……お父さんと、お母さんは?」
何かをためらうように、微かに揺れる純ちゃんの瞳。
答えの代わりに、残酷な沈黙が落ちた。
「まさか……」
最悪の結果が脳裏をよぎり、その先を言葉にすることができない。
「おじさんとおばさんの安否は、わからないんだ」
「……え?」
安否がわからない?
「俺がお前に呼ばれて事故現場に行ったとき、居たのは風花、お前だけだった」
「え?」