月の恋
どれくらい泣いたのだろ…体が力を失って倒れたのはずいぶん前のこと
瞼が重くて今にも闇の中に意識を失いそうだ
ぁ…はよ帰らな姉ちゃん心配しとるやろな
今日のご飯当番うちやのに…納豆ご飯でええかな?
いや…キレられる…
つーか、ここどこやろ?
森っぽいんは分かるけど…
真っ暗で何も見えへん
うち、生きて帰れるんかな?
鬼に喧嘩なんか売ってきてもうたし
プライドだけは高そうやもんなアイツ…
……………。
……眠た…い…
ーーーーサク
だ…れか…キタ…?
ーーーサク
あぁ…やばい…
しっ…かり…しろ…自分……
に…げ…な…ぁ
ーーサク
誰かが側に立ったと同時に生綉姫は意識を手放した。