聖夜の夜に……
優しく微笑み……。

「あなたは、今日から上天使です。

自分の身を犠牲にしてでも、
人を助けたいという
その気持ち。

それが必要なのです」

コツリコツリと1歩ずつ近付いて来る。

そして
ぼくの目の前まで来ると、優しくぼくに向かって手をかざす。

眩い光が放たれ
ぼくは背中に何か違和感を感じる。

その光が消えたかと思うと、ぼくの背中には
新しい大きな羽が生えていた。


「ほら、見て」

差し出された手鏡を覗き込むと、目を覚ましたえりちゃんの姿があった。

お父さんとお母さんで、クリスマスツリーをバックに3人で笑ってる。

初めて見る、えりちゃんの笑顔。

クリルの心がポッと暖かくなるのを感じた。

クリスマスプレゼントを貰ったのは、ぼくかもしれない。
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