もう一度、名前を呼んで。【完結】
あたしは大して驚きもせず、無表情のままそのドアの方を見る。
「瀧沢じゃねぇか………。
遅かったな?ククッ……」
あたしの上で笑う倉本。
「……藍那っ!?」
暗い部屋にやっと目が慣れたらしい、悠唏。
心底驚いた声。
あたしは何も感じなくて、ボーッと悠唏を見た。
「……倉本…てめぇ………」
地面が震えるような、とても低い声がして。
次の瞬間にはあたしの上にいた倉本がいなくなってた。
ガァンッ
いなくなった、と思った直後。
耳を塞ぎたくなるような音がする。