禁断〜家族Game〜
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「玲、おはよ。」
1月初旬、朝は寒いけど陽射しだけは暖かかった。白い息を吐きながら重い足取りで学校へ向かう玲に話し掛けてきたのは
「おはよ・・菜智(ナチ)」
近所に住む幼なじみの一ノ瀬菜智だった
「どした?テンション低くない?」
「別に・・・・」
小さい時から仲が良かった菜智。でも玲はそんな菜智にも柑との事は黙っていた。
菜智を信用してないわけじゃない。
でも柑と本当は双子じゃないことや一夜を共にした事は、玲よりも柑にとって重要な秘密になっている気がして、誰にも言えなかった。
だって少なくとも、15年の間アタシ達は普通の兄妹だったのだから−−−−
秘密を打ち明けることは、隠された柑の出生をも言わなければいけない・・・それは玲達家族にとってけして良いことではない。
玲にもそれくらいことは理解出来ていた
隣で休みに起きた出来事を楽しそうに話す菜智の言葉が右から左へ流れていく
「ねぇ♪髪切っちゃった!!」
「あ・・・本当だ。」
春休み前までロングだった菜智の髪の毛がボブになっていた
そんなことさえも気づかないくらい玲はぼんやりとしていた
「玲やっぱり変だよ。あっ!!分かった!!古賀先輩の事考えてたんでしょ♪」
「え・・・・」
菜智の言葉に玲の心臓は口から飛び出るくらい驚いてしまった