駆け引き×スクープ2~雪月鬼~
「…私も伸ばそっかなー」
ボソリ、
と言ったのに栗塚さんには聞こえたみたいで
「夏梨名ちゃんは帰りなね」
ムッ
「お断りします。残るのも帰るのも私の勝手です。」
「仕事は?」
「有給あります。」
「危ないのに?」
無言で栗塚さんを睨む。
数秒経つと、栗塚さんは諦めたようにため息をついた。
「…わかった。行ってきな」
「はーい♪」
クルリと方向転換
「‥ま、何かあれば俺が守ればいいのか……」
「?なんか言いました?」
「いや、早く行きな?」
「?はい」
私は桐谷君の後を追った。