・空と雲


「はい席ついて」

みんな先生の話なんて聞かない。
聞く人がいるような学校じゃないから。

私達の学校は都内でものすごく
荒れていて有名だった。

「今日は転入生が来てます。入って?」

転入生って言葉に反応したのか
この時ばかりはみんなが前に視線をもっていった。

「転入してきた中村竜弥です。」

「え・・・」

「桜・・???」

私は思わず声を出してしまった。
それに驚いたのか南流に名前を呼ばれた。

「桜のしりあーい??」

「違うけど・・・・」

「じゃあなんかあったか?」

「一目惚れした・・・」

「「はぁ!?」」

そう。
私一目惚れしました。
そんなことを知らない先生は
転入生の中村君を私の隣に座らせた。

「よろしく。」

笑顔で言った中村竜弥。

「・・・よろしく。」


< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop