黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
一瞬、何を言われたか分からなかった………というのは冗談で。
『嫌だ。』
だって………
『暁人のために女装とか嫌だ。』
「ちょ…鈴ちゃーん!俺の心がグッサーやで!グッサー!」
『知らない。』
「鈴ちゃーん!」
暁人は涙目だが、冷たい視線を暁人に送る。
だいたい、女装って………私、今男装してるんですけど。
「なぁ頼むよ。クラスのみんなの為だと思って!な!?」
塚原がそう言うので、周りを見ると、みんな子犬のようなつぶらな瞳で私を見ていた。
なんか……この瞳見てたら断れない。
『……はぁ。分かったよ。』
とうとう私は承諾した。
「九条ならそう言ってくれると信じていた!というわけで……これに着替えてくれ。」
塚原から渡された服を持って、私は更衣室に入った。