3ヵ月
何も知らずに「おはよう。」と挨拶する。
もちろん、みんなは無視。辰也は派手で言うことは絶対的だった。声をかけようとする子もいたけど、隣の友達が言っちゃダメだと目線を送っていた。きっと辰也にビクビクしていたのだろう。そして自分を守るために。私はその様子を自分の席に座って、榊が何でいじめの対象なのかという疑問と“バカみたい”という思いでただただ見ていた。

おかしな空気を感じとった榊は、おはようと挨拶した教室の入り口から辺りを見渡した。そしたら黒板に目が止まった。そして
「みんなどうしたの?これってドッキリ?」と笑いながらわざと鈍感な発言をした。それでも雰囲気は変わらない。
「榊、この状況見れば分かんだろ?お前なんか帰れよ」
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