3ヵ月
「じゃあ、俺帰るわ。」呆気なく言い帰っていった。と同時に一時間目が始まる鐘が鳴った。
帰っていく榊の向こうから先生が歩いてきた。
「授業はじまるぞ。遅刻にするかんな。」
「休みでいいですよ。俺帰るんで」
「体調悪いのか?」
「はい。気持ち悪くて。」榊だから通じたのだろう。でも先生も先生だ。

先生の声に気づき、辰也達は焦って黒板をすぐ消し始めた。
「はい、おはよう。お前落書きでもしてたのか?」
「違うよー、先生の為にキレイにしてるんですよ。」調子いい辰也だ。
「あっ、そうか。はい、席に着いて。」とすぐ始めた。
先生は何が起きたのか気付いていない様子だった。もし気付いていたとしても首を突っ込んではいなかったと私は思っている。
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