時雨の奏でるレクイエム
「コウサでは世話になったからの。王都までは遠い。妾が召喚術を使い、王都まで送ろう。そして、闇の幻獣王が呼び出されたときは、光の幻獣王を連れてきてほしいのじゃ」

「わかった」

「そうだ!」

クルーエルは、手をポンっと叩くと、不思議そうにアルミナを見つめた。

「アルミナは、一体何者なの?女帝ってだけじゃ、ないんでしょ?」

「なんだと思うかの?クルーエル」

「多分……だけど、千里眼じゃないかな」

「くく……そうじゃよ」

「千里眼?」

アルミナはひらり、と台座から飛び降りると、二人の傍まで来て手を伸ばした。

「知りたいかの?なら、教えてやるのも悪くないかの」

二人は、おずおずと、アルミナの手をとった。
そのあと、光の環が3人をそれぞれ包み、次の瞬間、謁見室には誰もいなくなった。
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