放課後姫とヤンチャな騎士
乃里子と剛志は門をくぐると、立派な日本庭園の中を歩いた。


見るからに歴史のありそうな日本家屋に、剛志は思わず口を開いた。


「剛志、シャンとしなさい?
羽瀬の家は礼儀に厳しいわよ?」


乃里子がクスリと笑った。


麻里を見る限りだと半信半疑だが、それでも剛志は出来る限り身なりを整えた。


「乃里子お嬢様。
いらっしゃいませ。」


玄関の前で、妙齢の和服の女性が深々とお辞儀をしながら出迎えてくれた。


「こんにちは、妙子さん。
お元気そうで何よりです。」


「まぁ♪
乃里子お嬢様にそう言って頂けると、妙子もより元気になれそうですわ。」


そう言いながら、妙子は満面の笑みで腕を捲って見せた。
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