放課後姫とヤンチャな騎士
「乃里子…」


「何?」


陽太と未来には二人の間に火花が見えた気がした。


「展示見た…
やるならやるでどうして言わなかった?」


「…未来に手伝ってもらったし。」


乃里子はふいっと顔を背けた。


「…俺に言えば良いだろ?」


「…忘れて欲しかったんでしょ?」


「…は?」


剛志は怪訝そうに顔をしかめた。


「忘れるってそういう事よ?」


乃里子が呟くと、剛志は目を見開いた。


「忘れるっていうのは、全てなの。
全て無かった事にするってことよ!
それを求めたのは剛志でしょ!?」


乃里子の声が段々悲鳴に代わっていく。
< 184 / 219 >

この作品をシェア

pagetop