放課後姫とヤンチャな騎士
「いらっしゃいませ−…!?」


剛志が教室に飛び込むと、店内は急に静かになった。


剛志は周りの事など気にもせずに、室内に乃里子の姿を探した。


教室がざわざわと騒ぎ出した頃、息を切らした陽太が飛び込んできた。


「はぁ…はぁ…
皆…剛志の事は…気に…しないで…」


陽太は上がった息を整えながら、必死の笑顔で言った。


パーティションで区切られた調理場からも、数人の生徒が顔を出している。


剛志は生徒を押しのけて進み、調理場に入った。


「ちょっ!
剛志!?」


陽太も慌てて飛び込んだ。


調理場には、睨みつけるように剛志を見ている乃里子と、その隣で心配そうな表情の未来、乃里子を真っ直ぐに見つめる剛志と、動揺している陽太。


そんな四人が、張り詰めた空気の中にいた。
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