放課後姫とヤンチャな騎士
「乃里子!?」


未来が叫んだ。


乃里子は構わずに破っていく。


粉々になって床に舞い落ちていく。


「…乃里子。」


剛志はやっとの思いで声を出した。


「新聞…読んだ。
ワンコは…俺の事だろ?
主人公は乃里子。
違うか?」


乃里子は黙ったまま、床に散らばった入部届けを見つめている。


「なんで同情だなんて思うんだよ…
乃里子が『大切なのは家柄だ』って言ったんだろ?
だから俺は否定したんだよ。
じゃなきゃ…
じゃなきゃ『忘れてくれ』なんて言えるか!!」


剛志の声に力が入る。


「乃里子…
俺だって本当は…」


剛志が言いかけたとき、乃里子は逃げるように教室を飛び出した。
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