放課後姫とヤンチャな騎士
翌日、剛志は陽太の教室を訪ねた。


昨日借りた本は下巻だったため、上巻を持ってきてもらったのだ。


「ごめんな、剛志。
これが上巻。」


「間違えんなよな?」


「まあいいじゃん?
一気に読めるんだしさ♪」


剛志は借りた本で、陽太の頭を軽く叩いた。


陽太の教室内では、人だかりができていた。


「何だあれ?」


剛志が不審そうに言うと、陽太は不思議そうに首をかしげた。


「剛志知らなかった?
乃里子だよ、新聞部の。
あと、理事長の娘で、生徒会長の妹。」


「ふーん…」


剛志は乃里子を見つめた。


どこかで見覚えのある顔だった。


「剛志は他人に興味なさ過ぎだよ?
もっと周りと関わっていかないとさ♪
俺だけが友達なんて寂しいでしょ?」


陽太の言葉を無視しながら、剛志は乃里子を見ていた。
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