《実話》道〜私がつけた足跡〜
大きな部屋の一番手前が夢咲の机らしい。

小さな机は引き出しが二つあるだけ。

それでも、夢咲は自分の机がある事に対し心の中で喜びを噛み締める。

机の前で正座をし、意味もなく引き出しを開けてみる。

当然ながら何も入ってない。

それでも何度も左右交互に開けては閉めてを繰り返す。

そして、『幼児の館』では失くしていた溢れんばかりの笑みを浮かべる。

「夢咲ちゃん、よろしくね。

アタシ玲っていうねん。

アタシの机、夢咲ちゃんの隣やねん。」

突然の声に夢咲は驚き、一瞬にして声の主を見る。

そこには可愛い笑顔を見せ、立っている玲ちゃんの姿。

可愛い笑顔に釣られて夢咲の顔からも笑顔が零れる。

「ベッドも頭同士がひっついてるねんで。」
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