《実話》道〜私がつけた足跡〜
「夢咲ちゃんアカンで?

靴はちゃんと自分の下駄箱に直さないと…」

夢咲の目も見ずにそう言い残し、自室へと戻っていく先生。

その背中を…滲んで霞んで見える背中を、目で必死に追いかけた。

たすけて…助けて…

心の中で叫び続けるが、口からは、言葉として出てこない。

恐怖から顎がカチカチと震えて、思いが届かない。

ガチャンと扉を閉める音に、先生が自室に戻った事を耳で確認が出来た。

それは潤君も一緒で、背中に刺す視線を感じた。

恐る恐る潤君のほうに体を向けると、顔が笑っている。

だけど、目だけはナイフみたいに冷たい目…

心を抉るように刺す視線。
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