教室バロック




地下に入り
車内に、あかりがついた




「 ――― ルウ って… 」




「 …俺も一回だけ見た事あるんだけど

ちょっと人間じゃないみたいに、
寒気するほど綺麗な子でさ


なんか一部では、王子って呼ばれてたり
結構、あの辺で、
大物?って言われてる人なんかも
可愛がったりしてるみたいなんだわ


けどそれもウワサで
実質、正体不明っつか


…俺が見た時は、
赤いチェックのフリフリ着てて
赤毛の三つ編み、茶色い目で

だけど別の奴は、
『いや、
ルウは黒い瞳の少年だ』って言うし

誰も詳しい事、しらねえんだよ




ただ、み、…奴の知り合いみたいだから
絶対手、出したり
ちょっかいかけたりとか
夜の街で遊んでる奴らは、
恐ろしくて出来ないっつか… 」



「 ―― それから? 」



「 …すぐに何人か、迎えに来て
" ルウ "も誰かに
無理矢理そこから引き剥がされて
パトカー来る前にその辺は
ひと気、一切なくなったとかいってた… 」





――― きっと『 ハルト 』だ





「 那智君…

本当にミツコ、新幹線に乗るの…? 」






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