gently〜時間をおいかけて〜
そんな訳ないかと、あたしは自分の推理を否定した。

あたしみたいなヤツをストーキングするヤツがいたら、ぜひとも会ってみたい。

どんな物好きなのか、この目で確かめたい。

なーんて、そんなヤツはいないかも知れないけど。

そう思いながら、あたしはカバンを持ちあげた。

ここにいるのも、だいぶ飽きてきた。

そりゃ、ほぼ毎日のように入り浸っているからだ。

「すみませーん」

近くにいた店員を呼ぶと、会計を済ませた。

チラリと男を見ると、相変わらず彼はそこに座っていた。

本当に、何なのだろうか?

あたしの気のせい、あるいは自意識過剰だったらいいのだけど。

そう思いながら、あたしは喫茶店を後にした。
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