gently〜時間をおいかけて〜
gently3〜悪いのは、あたし〜
航と同居を始めてから1週間が経った。

彼との同居生活は何やかんやですっかりとなれてしまった。

なれと言うものは恐ろしいものである。

まあ、なれた方が得な気がするけど。


「じゃ、行ってくる。

今日は2限目と3限目だけだから」

そう言いながら靴を履いたあたしに、
「行ってらっしゃい」

玄関まで見送りにきた航が声をかけてきた。

「お昼は昨日のカレーを温めて食べてね」

「ん」

こんなやりとりはもう当たり前と化している。

航に見送られながら、あたしは今日も大学へと向かった。
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