gently〜時間をおいかけて〜
gently4〜何もない世界〜
目を開けると、視界に入ったのは航の寝顔だった。

あれ、どうして航があたしの隣にいるの?

ついでに言うならば、ベッドのうえで一緒に寝ている。

この状況に戸惑っていたら、あたしは思い出した。

あ、そうだった…。

昨日は航に抱きしめられながら眠ってしまったことを思い出した。

同じベッドの中にいるって言うのが、何よりの証拠である。

やましいことをした訳ではないから、当然パジャマは着たままだ。

これで何かあったらどうしてくれると言うのやら。

そんなことを思いながら、あたしは航の寝顔を観察した。

きめ細やかな白い肌に、マッチ棒が乗りそうなくらいの長いまつ毛。

スッと通った鼻筋に、血液がよく通っている紅い唇。
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