gently〜時間をおいかけて〜
よく整っているその顔立ちに、あたしはつい見とれてしまった。

この人が、あたしの子供なんだな。

正直なことを言うと、息子と言うよりも仲がいい男友達みたいだ。

そんなことを思っていたら、
「――んっ…」

ピクリと、航のまぶたが動いた。

あ、起こしちゃった。

そう思いながらも、あたしはジッと観察した。

ゆっくりと、航の目が開いた。

「おはよう」

あたしは言った。

「――おはよう…」

まだ眠いと言うように目をトロンとさせながら、航があいさつを返した。

すぐに、
「えっ!?」

驚いたと言うように、航が飛び起きた。
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