いつかのMerry Xmas
それに、イチローのバンドって、トリから二番目だよね。
うちのバンドの直前に、私に出ろっていうのかしら――。

なんて、ぼやいても仕方が無い。

途中、まどかちゃんのバンドを見に行った時も放っておいて私は、必死にフルートの練習をした。

と、とりあえずは人に聞かせられるレベルになったかしら――。

うん、なったことにしておこう。


「ちょっと貸して」

言うとイチローは私の手からフルートを奪い、躊躇いもなしに唇を押し当てた。

潔癖症でマイクさえ、使えないくせに。

――何よ、それ――。
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