いつかのMerry Xmas
「じゃあ、一曲目にフルート吹くから、その後ステージに出て受け取ってくれない?
 で、続けて二曲目にさっきのヤツね。よろしく」

はいはい。
もう、言い合いをしている時間も無いので、私は諦めて頷いた。

「あ、それからさ。
 クリスマスソングで、何が一番好き?」

イチローがそう聞いてきたときには、私たちはもうステージ袖に居て、前のバンドの最終曲を聞く羽目になっていた。

イチローのバンドメンバーは心得たもので、私がそこに居ても異論さえ唱えない。

「WHAM!のLAST CHRISTMAS」

私は、彼の耳にそっと囁く。

三秒、イチローは唇を閉じる。

「OK。
 じゃあ、それをプレゼントするよ」
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