いつかのMerry Xmas
「そっか。
 良かったね」

私は笑顔を作って、自分の言葉はウーロン茶ごと飲み込むことにした。

急遽フルートを吹けと命じられて、散々な目にあった――という現実は、今ここで彼女にグチっていいことじゃない。

そのくらいの分別はついている。

「はい」

「折角だから、お礼言ってくれば?」

「そうですね――。
 でも、怜先輩、珍しく酔ってて――」

さやちゃんは一瞬言葉を濁す。

「でも、やっぱりいってこようっと」

私の言葉に背中を押されたのか、気持ちを切り替えて彼女は席を立った。
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