いつかのMerry Xmas
「かっこいいね、相変わらず」

イチローがくすりと笑いを見せる頃には既に、頭痛が始まりかけていた。

「何よ、それ。
 こぉーんなリッチなプレゼントもらう、イチロー王子にはかなわなくってよ」

まさかこんな高級品が入ってるなんて思わないから勝手にあけちゃってゴメンね、と、言い添えながら私は高級時計をイチローに渡す。

「いいんだよ、別にこんなの。
 奴隷からの貢物なんだから」


――私は思わず耳を疑う。

今、さらりと『奴隷からの貢物』って言った――?


まさかね、そんなことあるはずないか。
空耳、空耳。

『レイサマへの貢物』って言ったに違いない。


だって、今、これ以上ないってくらい酔ってるもん。
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