いつかのMerry Xmas
そして、その中の一つを開けた。


これって、あれだよね?
年代モノのワインってヤツだよね?

それを冷やしもせず、さくっと開けて、グラスに注ぐ。

「どうぞ」

「あのね――」

「大丈夫大丈夫。
 飲めなかったら、口移しでも――」

「結構よっ」

もうダメ。こんな酔っ払い。
素面のままじゃ付き合えない。

私はグラスを奪い取り、ぐいとそのワインを飲んだ。


多分、本来こんな風には飲まないんだろうというくらい豪快に。

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