続・女好き彼氏


違う。


きっと海哉くんの嘘。


だって今、海哉くんは笑ってるもの。


きっと………きっと、


あたしのことを騙してるんだ。


そう、そう……きっとそう。



だって昨日。

悠雅は……


あたしにキスをしてくれた。


唇じゃないけど………


手の甲だけど………


キス……してくれた。


あたしは昨日、悠雅がキスしてくれた手の甲を見る。


ここに………

悠雅の柔らかい唇が触れたんだよね?


あたしはいつの間にか震えていた自分の手をギュッと握りしめる。


「海哉くん………嘘、ついちゃだめだよ……」


いつの間にかあたしの声も震えてた。


はは、なにこれ………

嘘なのに、きっと海哉くんの嘘なのに……


なんで、こんなに─────…


「嘘じゃない」


ドクンッ──────…


あたしの心臓が大きく飛び跳ねる。


そして、自分の頭をゆっくりと上に上げて
海哉くんの顔を見た。












「嘘じゃ…………ない」


その顔はあまりにも真剣で

真っ直ぐにあたしの事を見て

あたしの心を深くえぐった。


ズシリと重いその言葉。











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